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亡き息子のデバイスロックを解除したい遺族とAppleのメーカーとしての責任

遺族の無念とAppleの責任

exiteニュースに、「亡き息子のiPadロック解除要請をアップル社が拒否(英)」という記事がありました。

イギリスで昨年12月7日、18歳の若さで亡くなったリアム・ライトさん。悪性の骨肉腫で、発覚したときには既に末期だったということです。

彼は自身の死期を悟り、数年前に母親からプレゼントされたiPadに遺言を残しました。遺族はこの遺志に基づき葬儀などの手配を行ないたかったようなのですが、そこで立ちはだかったのがパスコードロック。

遺族が解除をしようとしたときには既にリアムさんは危篤状態でとてもパスコードを伝えられるような状況ではありませんでした。

 

そこで遺族はAppleへロックの解除を行なって欲しい旨を連絡したのですが、Appleの回答はNo。死亡証明書と弁護士作成の手紙を送付するように伝えました。

弁護士の手紙を発行してもらうのには120ポンド(約16,700円)の費用が発生しましたがなんとか用意し、再度Appleへ依頼。

すると今度はその内容が不十分だとして、裁判所命令を要請して来たそうです。その申請費用は360ポンド(約5万円)。さらに手紙を書いた弁護士によれば、裁判所命令は簡単には付与されないとのことから遺族は途方に暮れています。

 

さて、ここまでの話では(情報元の書きかたもあるのでしょうが)Appleが完全に悪者になっています。

「遺族の気持ちを察せない」とか「例外として解除してやればいい」、「このような事態なのに無料で対応しないのはどうなのんか」など様々なバッシングがあるようですが、果たしてそうなのでしょうか。

iPhone/iPadはご存知のとおり世界中で販売されており、高いシェアを誇ります。Appleはメーカーですから、当然世界中のユーザーが安心して端末を利用できるようにする義務があります。

その証拠に、過去にはその高いセキュリティルールを固持するために、公的機関の命令をも跳ね除けた例もありました。

例外を作れば、いずれ規律は乱れ、規律の存在は無かったものになります。今回のような件を容認してしまえば、同様の案件もさることながら、必ずそれを悪用する者もでてくるでしょう。

悪用されてしまえば、iOS端末を利用するユーザー全てが危機に晒されます。だからこそAppleは頑なに対応をしないのでしょう。

 

それに、これは個人的な感情ですが、いかに肉親といえども絶対に見られたくないプライバシーもあるでしょう。それを白日の下に晒してしまえば何のためのセキュリティかわかりませんよね。

リアムさんは自らiPadに遺言を残したため例外的ではありますが、基本的にはこの世を去った後であってもデバイスを見られることは多くの人にとって望まないことであると思います。

遺族の心境とメーカーの責任。どちらも尊重されてしかるべきですが、この手の問題はこれからも増えていくのでしょう。

<文:研究員A>

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