iPhoneの共同発明者が語る、iPhone開発秘話
現地時間6/20の夜、アメリカ・カリフォルニア州にあるコンピューター歴史博物館にて開催されたイベントでニューヨークタイムスの記者が初代iPhoneの開発に携わったエンジニアたちを招いてインタビューしました。
その中の一人、Scott Forstall氏が語った話によれば「携帯電話を再発明する」というコンセプトで発表された初代iPhoneの本当の開発のきっかけはかなり意外なものだったようです。
Scott Forstall氏はAppleのソフトウェア開発部門を率いていた人物で、2012年にiOS6をリリースした後にAppleを退社しました。ちなみにその後リリースされたiOS7から内容が一新され、立体的なアイコンだったスキューモーフィックデザインから平面的なフラットデザインに変更されています。
Forstall氏は自身の退社やiOS7については多くを語らなかったものの、いまやスマートフォンの筆頭ともいえる「iPhone」の創世記について話しました。
その中でiPhoneの開発のきっかけについて語る場面があったのですが、これが実に意外なもの。そのきっかけとは「故スティーブ・ジョブズ氏がMicrosoftのある男性を嫌っていたから」。なんだそりゃという感じですが詳細はこうです。
Microsoftの男性と聞くと真っ先にライバルだったビル・ゲイツ氏が浮かびますがどうやら違うよう。その男性社員はジョブズ氏の妻の友人の夫でした。
この2夫妻は同じITメーカー界に身を置いていることもあり邂逅することがままありました。その男性とビジネス交流を行うたびにジョブズ氏は不機嫌な様子で帰ってきたとForstall氏は語ります。
その中でも特にジョブズ氏がインパクトを受けたのがMicrosoftがタブレットの開発に望んでいたときです。その男性曰く「コンピューティングを解決した」。こう言われてしまっては対抗心を燃やさないわけにはいきません。
確かに開発されていたタブレットPCは小型・軽量でタッチパネルを搭載した優秀な端末でした。しかしジョブズ氏はせっかくのタッチパネルが付属のスタイラスでなければ操作できないことに気がついたのです。
そこでジョブズ氏は指でタッチ操作を行う端末を開発することにしました。「我々は10個ものスタイラスを持って生まれたじゃないか!」
しかしてMicrosoftに対抗する形で着手された計画は2004年、ジョブズ氏が訪れたコーヒーショップで周囲の客の多くが携帯電話を使っているにもかかわらず幸せそうに見えなかったというところから携帯電話を生産することに路線変更されたのです。
もしかしたらこの出来事がなければiPhoneではなくiPadがこの世に先に誕生していたのかもしれません。
しかし個人の感情をきっかけに世界を変えてしまったジョブズ氏はやはりカリスマであったということが分かるストーリーでした。
<情報元:Techcrunch、BusinessInsider>
<文:研究員A>