普通に市販されている気体がiPhoneを完全に再起不能にしてしまう





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アメリカ・イリノイ州のとある病院で奇妙な事件が起こりました。

なんと病院中のiPhoneやiPad、AppleWatchが突然故障してしまったのです。

人体に害がなくても機械は壊れる

 

あるものは画面が動かなくなり、あるものは充電ができなくなり、

またあるものはWi-fiに接続できなくなり。

症状はさまざまでしたが故障したそれら約40台の機器に共通するのは

Apple製品であったこと。

病院内のAndroidやPC、医療機器にはなんの異変もありませんでした。

 

その日、この病院では新しいMRI機器の設置を行っており

原因として考えられるのはそのMRI機器しかありませんでした。

 

photo:Shutterstock

 

MRI機器は強烈な電磁波を発生させるため、病院側は

この強い電磁波により故障したのではと一度は疑ったものの、

Apple製品以外の電子機器には問題が発生していないことから

電磁波が原因という説は棄却されました。

 

では何がiPhoneたちを故障させたのか。

 

それはMRI機器の冷却に使用されるヘリウムでした。

ヘリウムといえば声が変わるバラエティグッズとしても有名ですよね。

もちろん人体には大きな害のない気体です。

 

設置された新しいMRI機器は液体ヘリウムを気化させて本体を冷却する仕組み。

通常、発生したヘリウムガスは通気孔を通って建物外へ排出されるのですが、

この病院では施設内にヘリウムガスが漏れてしまっていました。

 

その結果として約120リットル、気体にして90,000平方メートルもの

大量のヘリウムガスが病院を満たすことに。

目に見えない、匂いすらないこの気体がiPhoneやiPadを故障させた犯人だったのです。

 

なぜAppleの機器だけが故障したのか。

 

 

ヘリウムの粒子は非常に小さく、精密機器の中のチップセットにも容易に入り込みます。

スマートフォンでは加速度センサーなどに使われ、スマートフォン以外にも

多くの電子機器に採用されているMEMSシリコン製のチップセットは

ヘリウム粒子が入り込むことでその機能が正常に動作しなくなる可能性があります。

 

もちろんこれはApple、Androidを問わず採用されているチップセットなのですが

今回Appleの機器だけが故障した原因は、Appleが最近、動作用のクロックを

水晶(クォーツ)からMEMSシリコン製に変更していたことにあると見られています。

 

クロックは電子機器の動作には必須の非常に重要なパーツで、

これが正常に動作しないとその機器はまったく動かなくなる

まさに機械の心臓ともいえる存在。

 

AppleがこのクロックをMEMSシリコン製にしてしまったがために

iPhoneたちのクロックが動作をしなくなり、デバイスがクラッシュしてしまったというわけです。

これは有志がIPhone8Plusを密閉袋に入れ、内部をヘリウムで 満たした実験。

8分30秒ほどでストップウォッチが突然止まり、デバイスが動作しなくなってしまいます。

 

実はAppleはiPhoneがヘリウムに弱いことを知っていました。

その証拠にユーザーガイドには以下の表記があります。

爆発性の空気およびその他の大気条件  高レベルの引火性の化学薬品、ガス、または粉じん(穀物粉じん、ちり、金属粉など)が空気に含まれる場所など、爆発性の空気がある場所で iPhone を充電したり使用したりすることは、危険な場合があります。高濃度の工業用の化学薬品(沸点に近いヘリウムなどの液化ガスなど)のある環境に iPhone を持ち込むと、iPhone が損傷したり、機能が損なわれる場合があります。すべての標識および指示に従ってください。

病院や工場などの特殊な環境でない限りこの現象に出会うことはそうそうないでしょうが

くれぐれもApple機器の使用環境には注意しましょう。

 

<情報元:MotherBoard

<文:研究員A>